2014年9月13日
『総合型地域スポーツクラブの理念・自律自立にむけて』


『地域スポーツの推進と “新しい公共” の形成』 という内容の講習会に行ってきました。

最近感じる “総合型クラブとは…” という根本的な疑問をぶつけてやろうと勢いよく会場入りした僕でしたが、講師である立命館大学・中西純司先生の話にただ聞き入るばかりでした。


敗戦が背景にあった昭和20年代、スポーツとはお国のために体力を向上させることが主流だった(鍛錬型)。
その後、昭和30年代、東京オリンピックが背景にあり、男性を中心とした勝利志向と行政主導型の社会体育が主流となり(競技型)、昭和40年代高度成長期にはレジャー志向のお金を払って自分のために自由にスポーツをしよう(プレイ型)という形になり、そして昭和50年以降は自由に楽しむスポーツが結果的に地域のためになればという自己実現型となり、平成12年のスポーツ振興基本計画・総合型地域スポーツクラブへの展開に続いているという。

つまり総合型地域スポーツクラブは決して新しく出てきたものではなく、鍛錬型、競技型、プレイ型スポーツを経て、昭和41年の三鷹方式(行政がやる全何回の教室が終了したら終わりじゃなく、クラブとして続けていこう)から失敗と反省を繰り返し誕生した最終形態と先生は言う。


確かに総合型地域スポーツクラブは単にスポーツをする場ではなくて人々の心のよりどころや連帯感を生み出す地域のスポーツ活動の場だと僕は理解しています。
しかし現状はどうだろう?
一般のチームやスポーツ少年団も含め日本の地域スポーツの現状は、施設の取り合いなど利己主義的な活動になっているように思える。


現在約3500ある総合型地域スポーツクラブのうち、本当に機能しているのはいくつあるだろうか?

これが最終形態と言われながらも一つの種目にこだわる日本スポーツが、一つの種目にこだわらないヨーロッパのように… 本当の総合型地域スポーツになるには10年、20年、ひょっとしたら100年かかるのかもしれないと感じずにはいられない。

もしかしたら、総合型地域スポーツクラブの形が当たり前のようになる未来を僕は見られないかもしれないけど、100年後の子供たちのためにも、今の地域スポーツクラブがもつ年代別・種目別・目的別の壁(バラバラのスポーツ)、スポーツ事業の主催と客体の壁、スポーツと地域生活は別という壁は壊して、多世代・多種目・多志向の(of the people)、自主運営による(by the people)、地域コミュニティ志向(for the people)のスポーツ振興と地域づくりをしなくてはならないと再確認できた。


その覚悟を僕が決めるかどうか… しばらく考えるとしても、新しい公共・総合型地域スポーツクラブを完成させるためには社会(住民間の関係性)だけでなく、行政にも変わってもらわなくては困る(行政のもっている資源と権限を住民に開く)。

みんなが、自分で出来ることは自分でやり、縮小する公助(地域でできないことは行政で)・私助(民間に任せる)を補いバランスをとるための共助(自分でできないことは地域で)を拡大させなくてはならないのです。


今回はちょっと難しい話でした。。。





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